2012.12.01 N響第1742回定演:デュトワ

久しぶりに聴くデュトワ。毎年N響会員が選ぶ年間ベスト演奏会の常連。半月前のブルックナーからN響の音がどんなになるか楽しみだった。今日の曲は2つの演奏会形式のオペラ。1回のコンサートで2曲やるとは珍しい。1曲目はストラビンスキーの「夜鳴きうぐいす」、2曲目はラヴェルの「こどもと魔法」。
2曲とも演奏時間は40数分で、今まで全く聞いたことも見たこともない曲。「こども」は今年8月のグラインドボーン音楽祭で大野さんが振ったのをBSでやったので録画しておいたのを見てから出かけた。途中のセリフに「ハラキリ」とか「早川雪舟」なんて往年の映画スターの名前も出てきたが、メルヘンチックでかわいいオペラだった。「うぐいす」は日本の使節団が機械仕掛けのうぐいすを皇帝に進呈なんてこともあり面白かった。オケは両曲ともフル編成だったが、弦は聞かせ所が少ない上に休みも多く欲求不満だったが、管・・特に木管は聞かせ所が多くN響もいい響きだった。茂木さんのObや神田さんのFl、菅原さんのPic秀逸。EHが池田さんならもっと良かった。合唱は二期会NHK東京児童合唱団で暗譜だった。
2曲一緒に聴くとやはりラヴェルオーケストレーションが際立っていて楽しめた。久しぶりに外側のチェロも新鮮だったし、海野さんも5プルトで頑張っていた。歌手陣も両曲のかけもち(「こども」では一人3役も)もあり総じて高いレベルで聴かせてもらった。「こども」の猫の部分の所作には会場から笑い声が出ていたし「うぐいす」のコロラトゥーラも良かった。寒いしチケットを忘れて取りに帰ったり行きは散々だったが良い演奏で気持ちよく帰れた。
ようやく機関紙フィルハーモニーに来年8月のザルツブルグ音楽祭にデュトワN響の初出演の記事が載っていた。